結論
マッチングアプリでは、すべての会員に同じだけプロフィールが表示されるわけではありません。
誰を、どの相手に、どの順番で、何回表示するかは、アプリ側が決めています。
アプリごとに仕組みは異なり、具体的なアルゴリズムも公開されていません。また、運営方針や事業上の課題に応じて、仕様は変更されます。
ただし、営利企業が運営している以上、アルゴリズムは最終的に、運営会社の売上や事業成長につながるように設計されていると考えるのが自然です。
マッチングアプリは、全員が同じ条件でプロフィールを比較される場所ではありません。運営会社が事業上の目的に沿って露出機会を配分し、その中で利用者同士が競争する場所です。
運営会社の目的
マッチングアプリの運営会社は、利用者に恋人を作らせることだけを目的にサービスを提供しているわけではありません。
利用者がまったくマッチしなければ、アプリを使う意味がなくなります。
一方で、すべての利用者がすぐに相手を見つけて退会すれば、課金会員やアクティブユーザーは減ってしまいます。
そのため、運営会社は、次のような状態を作る必要があります。
- 新しい会員を増やす
- アクティブユーザーを維持する
- いいねやマッチを発生させる
- マッチ後のメッセージを増やす
- 男性会員に課金してもらう
- 課金を継続してもらう
- 女性会員にも利用を続けてもらう
- アプリ全体に人が動いている状態を作る
表示順位やおすすめ機能も、こうした目的を達成するための手段です。
男性の露出機会は平等ではない
多くのマッチングアプリでは、男性側の課金が主な収益源になっています。
そのため、男性のプロフィールをどの女性に、どの程度表示するかは、売上に直結する重要な調整対象です。
すべての男性を完全に平等に表示すれば、運営会社が伸ばしたい指標に合わせた調整はできません。
実際には、運営会社が重視する指標に応じて、特定の男性が表示されやすくなり、別の男性が表示されにくくなる可能性があります。
どの会員にも平等な露出が約束されているわけではないことは、最初から理解しておく必要があります。
アクティブな会員が重視される理由
男女を問わず、運営会社にとって重要なのは、登録者数だけではありません。
実際にアプリを開き、いいねを送り、マッチし、メッセージを交わす会員が必要です。
登録者が多くても、ほとんどの会員がログインしていなければ、アプリ内では何も起こりません。
そのため、次のような会員は、サービスを動かす存在になります。
- 継続的にログインする
- いいねを送る
- 足あとを残す
- マッチ後にメッセージを送る
- プロフィールを完成させる
- 相手から反応を得る
- アプリ内の機能を利用する
- 一定期間利用を継続する
どの行動が、どの程度アルゴリズムに反映されるかは分かりません。
ただし、ほとんど活動していない会員よりも、いいねやマッチを発生させる会員に露出を与えた方が、アプリ全体は活性化します。
利用者側ができることは、運営会社が重視する指標において、価値の高い会員になることです。
重視される指標は変わる
アルゴリズムが、常に同じ方針で運用されているとは限りません。
運営会社がその時点で伸ばしたい指標によって、優遇される会員の特徴も変わる可能性があります。
たとえば、女性会員を増やしたい場合は、女性から反応されやすい男性を多く表示した方が、女性側の体験はよくなります。
新しく登録した男性の課金率を高めたい場合は、登録直後にある程度の反応を得やすくし、アプリに期待を持たせる設計も考えられます。
男性に長く課金を続けてもらいたい場合は、すべての男性を等しく救うのではなく、継続利用や課金につながりやすい会員に露出を与えることも考えられます。
一方で、新規会員よりも、長期間問題なく利用している会員の信用を重視したい場合は、新規会員への優遇を弱める可能性もあります。
考えられる調整には、次のようなものがあります。
- 新規会員を一時的に表示しやすくする
- 女性から人気の高い男性を優先する
- 継続的に活動している会員を優先する
- マッチ後にメッセージを送る会員を評価する
- 相手から反応されやすい会員をさらに表示する
- 課金や継続利用につながりやすい会員に露出を与える
- 長期間利用している会員の信用を高く扱う
- 新規会員への優遇を弱める
これらは、特定のアプリが実際に採用していると断定できるものではありません。
重要なのは、アルゴリズムが利用者の公平性だけを目的に作られているわけではなく、運営会社の事業上の目的に応じて調整されるということです。
いいね数は純粋な魅力度ランキングではない
マッチングアプリのいいね数は、その人の魅力だけで決まるわけではありません。
相手から届くいいねの絶対数は、基本的に次の二つに左右されます。
- どれだけ多くの相手に表示されたか
- 表示されたときに、どれだけいいねされたか
つまり、いいね数は、露出数といいね率の両方によって決まります。
どれだけ魅力的でも、ほとんど表示されなければ、いいねの絶対数は増えません。
一方で、いいね率がそれほど高くなくても、非常に多く表示されれば、受け取るいいね数は増えます。
そのため、いいね数が多い会員は、魅力的である可能性は高いものの、いいね数だけを見て、その人の絶対的な恋愛価値を判断することはできません。
運営から多くの露出を与えられていることで、いいね数が増えている可能性もあるからです。
極端に露出を増やせば、いいねの絶対数は増える
極端な例を考えると、この構造は分かりやすくなります。
仮に自分でマッチングアプリを立ち上げ、多くの女性会員を集め、自分のプロフィールだけを女性側に繰り返し表示したとします。
その場合、表示された女性のうち、いいねを押す割合がそれほど高くなくても、表示回数が非常に多ければ、届くいいねの絶対数は増えます。
これは、本人の魅力が急に高くなったからではありません。
運営者として、自分に多くの露出を配分したからです。
マッチングアプリでは、運営会社が誰をどこに、どの順番で、何回表示するかを決められます。
その意味では、マッチングアプリは運営会社が作った王国のようなものです。
運営会社が土地とルールを持ち、利用者は、その中で与えられた露出機会を使って競争します。
プラットフォーム上の恋愛はこの仕組みから逃れられない
プロフィールの表示機会が平等ではないことに、不満を持つ人もいます。
しかし、プラットフォーム上で恋愛する以上、運営会社が作ったルールや表示順から完全に逃れることはできません。
これはマッチングアプリに限らず、SNSや動画サービス、求人サイト、ECサイトなどでも同じです。
プラットフォーム上では、誰を目立たせ、何をおすすめし、どこに表示するかを、運営側が決めています。
利用者は自由に活動しているように見えても、その活動範囲は、運営側が作った画面と配分ルールの中にあります。
マッチングアプリだけが、例外的に全員へ平等な機会を与えると考える理由はありません。
人気会員がさらに表示される可能性
相手からの反応がよい会員を多く表示すれば、アプリ内でいいねやマッチが発生しやすくなります。
女性から人気の高い男性を表示すれば、女性側は魅力的な男性が多いアプリだと感じやすくなります。
また、相手からよく反応される会員は、表示した際に実際の行動が起きやすいため、運営会社にとっても露出を与える合理性があります。
その結果、次のような循環が発生する可能性があります。
- 表示される
- いいねが増える
- 人気があるように見える
- さらに反応される
- さらに表示される
反対に、写真やプロフィールが弱い状態で露出されても、反応を得られなければ、次の機会につながりにくくなる可能性があります。
小さな差が、その後の露出によって広がることは十分に考えられます。
課金すれば必ず結果が出るわけではない
有料プランやブースト機能を利用すれば、プロフィールの露出を増やせる場合があります。
ただし、露出数を増やしても、表示された際のいいね率が低ければ、結果は大きく変わりません。
課金は、弱いプロフィールを魅力的に変えるものではありません。
プロフィールを見られる機会を増やすための手段です。
そのため、先に写真やプロフィールを整え、その後に露出を増やす方が合理的です。
反応されないプロフィールに課金して表示回数だけを増やしても、選ばれない回数が増えるだけです。
アルゴリズムを完全に当てる必要はない
内部アルゴリズムは公開されておらず、仕様も変更されます。
そのため、「何時にログインすれば必ず表示される」「この操作をすれば評価が上がる」といった細かな裏技を追い続けても、長期的には通用しません。
重要なのは、細かな仕様を当てることではありません。
運営会社が、どのような会員に露出を与える合理性があるかを考えることです。
継続的に活動し、相手から反応を得て、いいねやマッチ、メッセージを発生させる会員は、アプリ全体を動かします。
どの指標が実際に使われているかは分かりませんが、運営上の成果につながる会員ほど、露出を与える理由は強くなります。
利用者側ができること
アルゴリズムの詳細を知らなくても、利用者側ができることはあります。
- 表示されたときに選ばれる写真を用意する
- プロフィールを完成させる
- 継続的にログインする
- 自分からいいねを送る
- マッチ後に放置しない
- 相手から反応される状態を作る
- 必要に応じて露出を増やす機能を使う
つまり、表示されたときに高い反応を得られるプロフィールを作り、運営会社が重視する指標において価値の高い会員になることです。
アルゴリズムに文句を言っても、与えられる露出は増えません。
プラットフォーム上で恋愛する以上、そのプラットフォームの中で選ばれ、露出を与えられる状態を作る必要があります。
まとめ
マッチングアプリは、全員に同じ露出機会が与えられる平等な市場ではありません。
運営会社が、売上、課金率、継続率、アクティブ率、男女比、マッチ数などの事業上の目的に応じて、表示機会を配分しています。
そのため、いいね数は純粋な魅力度ランキングではありません。
本人の魅力だけでなく、運営からどれだけ露出を与えられたかによっても変わります。
それでも利用者側は、運営会社の配分ルールを直接変えることはできません。
できるのは、表示されたときに選ばれるプロフィールを作り、アプリ内で活動し、運営会社にとって露出を与える価値のある会員になることです。
マッチングアプリは、運営会社が作った王国の中で行われる恋愛です。
まずは、全員が同じ条件で競争しているわけではないことを理解してください。