結論
デートで相手を軽くいじること自体は問題ありません。
ただし、いじりとは、相手の欠点を見つけて指摘することではありません。
相手がすぐに否定できる、少しずれた見立てを置くことです。
たとえば、福岡出身の相手に、
地図分かる?
と返すような形です。
本当に地理が苦手だと思っているわけではありません。
明らかに否定できる前提を置くことで、
分かるわ そんなことないし
と、相手が態度を返せる会話を作っています。
軽いいじりの目的は、相手を下げることではなく、相手が言い返せる関係を作ることです。
いじりは、相手の悪い部分を指摘することではない
いじると聞くと、
- 欠点を笑う
- コンプレックスに触れる
- 失敗をからかう
- 相手を下に置く
- 少し失礼なことを言う
というイメージを持つ人もいます。
しかし、デートで使える軽いいじりは、これとは違います。
相手が本当に気にしていることを指摘すると、相手は笑って返すのではなく、防御しなければならなくなります。
たとえば、
友達少なそう 性格きつそう 恋愛重そう 仕事できなさそう
という言葉は、冗談のつもりでも、相手が実際に気にしている可能性があります。
相手は、
違うし
と返せたとしても、会話を楽しんでいるとは限りません。
軽いいじりでは、相手の現実の弱点ではなく、明らかに事実ではない軽い見立てを使います。
良いいじりは、相手がすぐ否定できる
軽いいじりが成立しやすいのは、相手が迷わず否定できる内容です。
福岡出身 → 地図分かる?
電車で来た → 一人で乗れた?
料理する → 火は使わせてもらえる感じ?
朝が強い → 毎朝ラジオ体操してるタイプ?
これらは、相手の能力や人格を本気で疑っているわけではありません。
前提が少しずれているため、相手も、
できるわ しないし 普通に使える
と軽く返せます。
このとき、相手は情報を答えているのではなく、こちらの見立てに対して態度を返しています。
ただ事実を交換する会話から、
そんなことない いや、絶対そうやろ 違うって
という掛け合いへ変わります。
いじりの目的は、正しいことを言うことではない
通常の会話では、相手の話を正確に理解しようとします。
料理をする → どんな料理を作るの?
福岡出身 → 福岡のどの辺?
これは情報を増やす会話です。
一方、いじりでは、あえて少しずれた解釈を置きます。
料理をする → 火は使える?
福岡出身 → 地図分かる?
こちらの見立てが正しい必要はありません。
むしろ、明らかに少し違うからこそ、相手が訂正できます。
いじりは、相手を正確に分析する技術ではありません。
相手がこちらに対して、肯定・否定・訂正を返せる余白を作る技術です。
情報ではなく、態度を返してもらう
一問一答の会話では、相手は情報だけを返します。
旅行は好き? 好き
料理する? する
休みの日は家にいる? いる
内容は分かりますが、二人の空気はあまり生まれません。
軽いいじりを入れると、
料理する → 火は使える? → 使えるわ
となります。
ここで相手が返しているのは、「火を使える」という情報だけではありません。
何言ってるの そんなわけない 私を何だと思ってるの
という態度も含まれています。
会話で距離が縮まるのは、情報量が増えたときだけではありません。
相手がこちらに対する態度を出したときにも、二人らしい空気が生まれます。
相手を下に置く必要はない
いじりという言葉から、相手より上の立場を取ることだと考える人もいます。
しかし、上から目線で評価すると、単に感じの悪い会話になります。
意外と頭使えるんだ ちゃんと料理できるんだ 思ったより友達いるんだ
これは軽いいじりというより、相手を低く見積もった評価です。
相手が否定できる内容であっても、こちらが本当にそう思っていそうだと成立しません。
使いやすいのは、能力や価値を下げる言葉ではなく、目の前の人物像を少しだけ変な方向へ読み替える言葉です。
メニューを長く見る → 今日仕入れに来た?
店内を見回す → 内見してる?
写真を何枚も撮る → 何かの資料に使うん?
相手そのものを下げるのではなく、その場の行動に別の意味を与えています。
本人が気にしていそうな部分には触れない
軽いいじりに向かないのは、相手の自己評価に直結する部分です。
たとえば、
- 顔や体型
- 年齢
- 学歴
- 収入や仕事
- 友人の多さ
- 恋愛経験
- 家庭環境
- コミュニケーション能力
などです。
本人が自分から笑い話として出していたとしても、こちらから重ねる必要はありません。
相手が、
私、方向音痴なんよ
と言ったときに、
じゃあ一人で帰れんやん
と軽く返すのは成立することがあります。
しかし、
仕事でもミス多そう
まで広げると、別の能力評価になります。
相手が自分から出した弱点であっても、その場の範囲だけで遊び、人格全体へ広げないことが重要です。
初対面の序盤では使いにくい
同じ言葉でも、関係性によって聞こえ方は変わります。
まだ会って間もない段階で、
地図分かる? 一人で電車乗れた?
と返すと、相手は、
この人は本気でばかにしているのか こういう話し方をする人なのか
を判断できません。
軽いいじりが成立するには、
- 普通に会話できている
- こちらに敵意がないと伝わっている
- 冗談を言う人物だと分かっている
- 相手も少しくだけた返しをしている
という土台が必要です。
そのため、初対面の最初からいじりを連発するよりも、まずは普通の会話で安心感を作った方がよいです。
軽いいじりは、関係をゼロから作るものというより、すでにある安心感の上で距離を少し縮めるものです。
相手のタイプによって成立しやすさが違う
同じ返しでも、相手によって反応は変わります。
地図分かる? → 分かるわ
とすぐ返す人もいれば、
うん、分かるよ
と事実だけ答える人もいます。
後者が悪いわけではありません。
- 言葉をそのまま受け取る
- いじられる会話に慣れていない
- 正確に答える方が落ち着く
- まだこちらに警戒している
- 軽い対立を楽しいと感じない
という違いがあります。
こちらがいじりを入れたからといって、相手が必ず乗るわけではありません。
反応が薄ければ、その場では普通の会話へ戻します。
いじりは相手を試すためのものではありません。
相手との会話で、どの程度の遊びが成立するかを見ながら使うものです。
反応が弱いときに重ねない
いじりがうまく伝わらなかったとき、説明や追加のいじりで取り戻そうとすると、さらに空気が悪くなります。
地図分かる? うん いや、分からなそうやん 本当に大丈夫?
と重ねると、最初は軽い冗談だったとしても、本気で疑っているように聞こえます。
反応が薄い場合は、
そうなんや
と普通の会話に戻せば十分です。
いじりは、必ず成功させなければならない技ではありません。
一度置いて、相手が拾えば続ける。 拾わなければ終わる。
そのくらいの軽さで使う方が自然です。
同じ相手ばかりをいじらない
相手に対して毎回いじる側に回ると、関係が固定されます。
こちらが言う。 相手が否定する。 またこちらが言う。
この構図が続くと、相手は常に突っ込まれる側になります。
軽いいじりが成立する関係では、こちらも相手から返されたり、軽くいじられたりします。
たとえば、
相手:旅行は全部決めたい 自分:俺は横でついていくだけになりそう 相手:絶対文句だけ言うタイプやろ 自分:多分店だけは口出す
というように、こちらも相手の見立てを受けます。
自分はいじるが、相手からの返しには不機嫌になるのであれば、掛け合いにはなりません。
いじりを使うなら、自分も軽く扱われる余白を持つことが必要です。
いじりは、相手の発言や行動から作る
何もないところから失礼なことを言うのではなく、相手が今出した情報や行動を材料にします。
メニューを長く見る → 仕入れに来た?
旅行は全部予定を決める → 旅のしおり作るタイプ?
朝が強い → 毎朝ラジオ体操してそう
写真を何枚も撮る → 記録係で来たん?
元になる言動があるため、相手も何に対する返しなのか分かります。
一方で、文脈なしに、
方向音痴そう 料理できなさそう 友達少なそう
と言うと、単なる人物評価になります。
軽いいじりは、相手の人格を勝手に決めつけるのではなく、その場で出た一部分を少しだけ遊ぶものです。
いじりを入れなくても、会話は成立する
軽いいじりは、会話の距離を縮める方法の一つです。
ただし、必須ではありません。
相手の話を拾う、少し加工して返す、自分の立場を出す、二人の場合を想像するだけでも、会話は十分に進みます。
いじりが苦手なのに、
モテる男はいじる 相手を笑わせなければならない
と考えて無理に使うと、不自然になります。
まずは、
相手の発言をそのまま受けるだけで終わらない 少し別の見方を足す 相手が返しやすい形にする
ことを意識すれば十分です。
その中で、自然に少しずれた見立てが浮かんだときだけ使います。
まとめ
デートで相手を軽くいじること自体は問題ありません。
ただし、いじりは相手の欠点を指摘したり、立場を下げたりすることではありません。
相手がすぐ否定できる、少しずれた見立てを置くことです。
使うときは、
- 相手が簡単に否定できる内容にする
- 本人が気にしている部分には触れない
- 相手の発言や目の前の行動から作る
- 安心感ができてから使う
- 反応が薄ければ重ねない
- 自分も相手から返される余白を持つ
ことが重要です。
軽いいじりの目的は、相手を下に置くことではありません。
情報だけを交換する会話から、
そんなことない いや、絶対そうやろ 違うって
と、相手が態度を返せる掛け合いへ変えることです。
相手を笑うのではなく、相手がこちらへ言い返せる会話を作る。
それが、デートで使える軽いいじりです。